大阪府民の健康状況

大阪の医療の現場状況について把握いただくためには、大阪府民の健康状況に関する情報が不可欠と思います。この記事では、大阪府民の寿命や死因についてまとめてみました。またそこから見えてくる、大阪の医療が抱えている課題に関してもご説明いたします。

まず押さえておいていただきたいポイントは、大阪府民の寿命は全国平均より短いという点です。つまり大阪の住民の大半は、健康状態になにがしかの問題を抱えている人が多く、その原因を発見し処置を施す頃には、手遅れになっている患者が多いということなのではないでしょうか。私個人の見解といたしましては、大阪府には「自身の健康状態に対する関心が低い」という問題を抱えている方が多いのではないかと推察しています。

大阪府民の寿命は全国平均より短く、健康状況がいいとは言えない

平成22年に大阪府より報告された「健康寿命に関する資料」によると、男性の全国平均寿命は79.55歳となっていますが、大阪府の男性の平均寿命は79.06歳です。女性の場合、全国平均の86.30歳に対し、大阪府の平均は85.90歳となっています。大阪府の住民は、男女共に全国平均より約半年も寿命が短いです。

またこの資料では、「厚生労働科学研究班の研究による健康寿命の算定結果」を元にした、大阪府住民の健康寿命に関しても取り上げています。男性の健康寿命の全国平均は70.42歳ですが、大阪府の男性では69.39歳です。女性の場合においても、全国平均73.62歳に対し、大阪府の平均は72.55歳となっており、健康寿命においては全国平均を1歳以上も下回っているという現実が浮き彫りとなっています。

こうした事態を憂慮した大阪府では、第2次大阪府健康増進計画 平成29年度の目標として、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加を打ち立てるなどし、府民の寿命延伸に対する積極的な取り組みを始めています。

大阪府民の主な死因は”悪性新生物”

では次に、大阪府民の主な死因についてご紹介いたしましょう。大阪府が平成28年に発表した「健康関連基礎データ」の「寿命や死亡についての報告」によると、大阪府民の死因のトップは悪性新生物となっています。俗に言う癌が死因のトップです。

癌に続く、死因の第2位は心疾患、第3位は肺炎となっており、死因そのものは全国の死因順位と全く同じと言えます。これは少し違和感を感じる結果ではないでしょうか。大阪府下全域は二次医療圏として設定されています。つまりどの地区においても、変わることのない高品質な医療を受けられる体制が用意されているとうことです。であれば、もう少し大阪府の健康寿命が長くても良いはずではないかと考えられないでしょうか。

がん検診率の低さが、健康状況の悪化に拍車をかけている

医療体制が整っているにも関わらず、大阪府民の平均寿命が全国平均を大きく下回っていることには、明確な理由が存在しています。がん検診の受診率の低さが主な原因です。平成27年度に厚生労働省により行われた、「平成27年度 がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン」のWebページに掲載されている「都道府県別がん検診受診率」のグラフをご覧いただければ、一目瞭然の結果と言えるでしょう。

大阪府民のがん検診受診率は胃がん・大腸癌・肺がん・乳がん・子宮頸がんの5項目中、3項目が全国最下位となっています。乳がん・子宮頸がんに関しては、かろうじて再開を免れていますが、最下位と微差のワースト2位となっており、大阪府におけるがん検診率の深刻な低さが、垣間見える結果と言えるでしょう。

特定検診の受診率も全国に比べてかなり低い

厚生労働省提出資料である「都道府県ごとに見た医療の地域差」を確認すると、がん検診の受診率と同様、大阪府民は特定健診の受診率に関しても、全国平均と比較し、かなり低いということがわかります。資料内26ページ目に掲載されている、「都道府県別の特定健診・特定保健指導の実施状況(平成24年度)」によると、特定健康診査の受診率は全国平均で46.2%。特定保健指導の実施率は16.4%となっています。

しかし大阪府の場合、特定健康診査の受診率は40.5%。特定保健指導の実施率は11.6%と大きく下回っており、最下位ではないものの受診率の低さが際立つ結果と言えるでしょう。これらのことから判断する限り、大阪府民の死因は単純な疾患の問題ではなく、府民1人1人の健康に対する意識の低さこそが問題の本質である、と言わざるを得ません。

カテゴリー: 大阪府の現状