大阪府の特徴から地域医療構想の現状を探る

現在の日本は、2016年時点の平均寿命において世界第2位となるなど、世界に名だたる長寿国となりました。平均寿命の延伸そのものは、大変喜ばしいことではあります。しかしその影響は大変大きく、日本社会は来たる超高齢社会に向けての対策を、綿密に練る必要に迫られているのです。

2025年には団塊の世代全員が、75歳以上の後期高齢者となり、実に国民の5人に1人が後期高齢者となるという世界にも類を見ない超高齢社会といえます。特に大阪府での影響は深刻なもので、高度経済成長期に大挙して大阪に流入した世代や、多数の第1時ベビーブーム世代の高齢化によって、全国平均を超える速度で高齢者の割合が増加しています。

これら未曾有の事態に適切に対処するため、大阪府では「大阪府地域医療構想」が策定されました。これは「大阪府保健医療計画」の一部として策定されたもので、2025年問題に対する、大阪府からの回答と呼べる内容になっています。

大阪府地域医療構想策定の背景

前述しました通り、2025年には団塊の世代が75歳以上となります。これは日本国民の5人に1人が、75歳になり、3人に1人が65歳以上となるということです。おそらくこの高齢化の波は止まる事はなく、今後も爆発的に進み続けるものと予測されています。

この超高齢社会において、現在の医療・介護サービスの提供体制では、どこまでも増加する医療に対する需要や、急速に変化し続ける時代のニーズに対応する事はできません。そして医療・介護資源は、将来的に減少する事はあっても、需要に応えられるレベルで増加することもないでしょう。その限られた医療・介護資源を有効的に活用し、府民が安心して暮らせるよう、サービスの拡充を図る必要に迫られているのです。

そして2014年に通常国会で「医療介護総合確保推進法」が成立し、医療法が改正された事がきっかけとなり、全国の各都道府県において、地域医療構想の策定を行う事になりました。高度急性期医療から在宅医療に至るまで、患者の状況・状態に適切に対応できる医療を、効果的・効率的に提供する体制の構築が求められます。そのために必要な、医療機能の分化や連携、在宅医療の拡充を推進する事になったのです。

大阪府地域医療構想策定のプロセス

地域医療構想は、厚生労働省が公表している「地域医療構想策定ガイドライン」に沿って策定されます。以下では、そのプロセスの流れを簡単にまとめましたのでご参考ください。

  1. 地域医療構想の策定を行う体制の整備
  2. 地域胃腸構想の策定及び実現に必要なデータの収集・分析・共有
  3. 構想区域の設定
  4. 構想区域ごとに医療需要の推計
  5. 医療需要に対する医療供給(医療提供体制)の検討
  6. 医療需要に対する医療供給を踏まえ必要病床数の推計
  7. 構想区域の確認
  8. 2025年のあるべき医療提供体制を実現するための施策を検討

地域医療構想策定後の実現に向けた取り組み

地域医療構想策定後は、その実現に向けた取り組みが重要ですす。まず病床機能報告制度によって集計された毎年度の病床数と、地域医療構想の実現に必要な病床数を比較し、現状の把握に努めます。そこで得た情報は医療機関に共有され、実現に向けた取り組みにおいて活用されるのです。

地域医療構想実現に向けた取り組みとしては、以下が参考として挙げられています。以下の取り組みを行いながら、PDCAサイクルを回すことが重要です。

  • 構想区域内の医療機関の自主的な取り組み
  • 地域医療構想調整会議を活用した医療機関相互の協議
  • 地域医療介護総合確保基金の活用
カテゴリー: 大阪の医療の現状