全国的に小児科医が不足している原因をチェック

小児科医は産婦人科医や臨床医と並んで、医師数が不足している診療科の1つです。小児科は他の診療科に比べ、幅広い知識や経験が要求されることや、その仕事の過酷さが災いし、少子化が叫ばれる現代においても、未だ十分な医療資源を確保することができていません。医師からは敬遠されがちな診療科ではありますが、小児科は日本の未来を支える子供の健康を守る大切な診療科です。この記事では、小児科医の勤務実態や大阪府の取り組みについてご紹介します。

小児科医の勤務の現状

率直に申し上げて、小児科医の勤務状況は医師の皆様方にとっては、あまり芳しいものとは言えないでしょう。まず切実な問題として、小児科に携わる医師の絶対数が不足しています。その根本原因として挙げられるのが、医学部生の小児科離れです。

大学卒業に際し、将来の進路として小児科を選ぶ医学部生が激減しています。その表面的な理由としては、「少子化の煽りで小児科はやり甲斐がない」といったものが中心のようです。その結果、どの病院も十分な医師数を揃えることができず、結果として小児科医1人当たりの患者数が増え、過労死が発生する程の異常なまでに激務の診療科となってしまいました。

しかし、先ほども申し上げた通り、少子化という言葉を体のいい言い訳にしているだけで、医学部生から小児科が避けられる理由は他にあるのです。「小児科は3K」という言葉は、医師であれば誰でもご存知ではないでしょうか。小児科はとにかくキツくて、汚く、給料が安いと思われているせいで、なり手となる医師の確保に苦慮しています。

小児科医は過酷な労働環境が不足の原因

小児科医の仕事は大変過酷です。有名な事件である、中原利郎先生の過労死事件はその最たるものと言えるでしょう。小児科医である以上、子供に特有の急な発熱や、思いもよらない怪我への対応を避けることはできません。そのため当直やオンコール対応の回数は、他の診療科と比較して増加することは必然です。

そうした労働環境の悪化は、未来の医療資源である医学部生も知るところとなり、小児科医を志す医師の卵は年々減少してしまいます。新しい人材が小児科に入ってこないということは、年を追うごとに小児科医の数が減り続けるということです。そして現職の小児科医の労働環境はさらに悪化し続けます。

大阪では小児救急医療体制の整備が進められている

小児科における医療資源の枯渇は、小児救急医療へも深刻な影響を及ぼしており、現状の体制を維持することすら困難なレベルに達しています。こうした現況を打破すべく、大阪府では小児救急医療体制の整備を急速に進めているのです。その取り組みに関しては、大阪府が公表している「小児救急医療体制の整備」に詳しく記載されています。

まず第1の取り組みとして、小児救急電話相談窓口の設置です。夜8時から翌朝8時にかけて、子どもの急病に関する保護者からの相談を看護師が受け付けています。そして第2の取り組みは、小児救急広域連携です。

各市町村が単独で夜間の初期救急医療体制を整備することは困難であるという認識の下、それぞれが連携して体制を構築する事で、医療体制の充実を図るものといえます。第3は子どものかかりつけ医を設定する事です。この仕組みを通して保護者への情報提供を行い、不要な二次救急病院の利用を差し控えるよう啓発しています。